2021年11月19日金曜日

【Checkmk ビギナーズガイド】(1)Windows, Linuxのエージェント監視

【Checkmk 評価版】監視開始手順①:Checkmkインストール【Checkmk 評価版】監視開始手順②:Checkmk環境設定 は、読んで頂けたでしょうか?評価版インストール、環境設定、簡単なホスト登録までをご紹介してきました。今回は「Checkmkエージェント」に注目し、Windows,Linux監視においてエージェントの有無における監視項目の違いを設定方法とともに確認していきます。

文:ジュピターテクノロジー とぐち

Checkmkエージェントとは?

Checkmkの監視方法は、4つの種類があります。


・Checkmkエージェント

・SNMPエージェント

・Specialエージェント

・アクティブチェック


本日ご紹介する監視方法は、Checkmkエージェントを使った監視です。

監視システムが監視対象の情報を知るためには、なんらかの仕組みが必要です。Checkmkは様々なOSに対応する独自のエージェントをもっており、Checkmkサーバーからの問合せを受けて、監視対象の情報を提供する役割を担っています。

CheckmkはWindowsやLinuxのような一般的なものから、Solaris, AIXといった様々なOSをサポートしています。

監視対象によりエージェントが不要な場合もありますが、それは使用可能なエージェントがすでに存在しているためです。のちの記事でも触れる予定ですが、SNMPによる監視がそれにあたります。ネットワーク機器などにはSNMPエージェントが組み込まれているため、特殊なエージェントをインストールする必要がありません。


本記事では、WindowsとLinuxの登録方法を取り扱います。ホスト登録→エージェントインストール→サービス取得の一連の流れと、エージェント有無によるサービス数の違いをご紹介したいと思います。

※ホスト……監視対象、 サービス……監視項目



1.ホスト登録

ホストの登録手順はWindowsもLinux同じ手順です。Setup > “Hosts” > Hosts > Add host から行います。フォルダを作成している場合は、任意のフォルダ内で「Add host」ボタンをクリックしてください。

図1


図2の画面が表示されたら、以下の設定内容を入力してください。
図2


  • Basic setting > Hostname
   DNSで名前解決できる環境であれば、そのホスト名を入力してください。
 ホスト名は途中でも変更することが可能ですが、変更の影響範囲が大きくなります。
 大文字と小文字は区別しますのでご注意ください。

  • Network address > IPv4 address
 ホスト名がDNSで解決できない場合は、ホストのIPアドレスを入力してください。
 複数のIPアドレスを入力することも可能です。

  • Monitoring agents > Checkmk agent / API integrations
 後でCheckmkエージェントを設定するので、「Configured API integrations and checkmk agent」を選択してください。

  • Monitoring agents > SNMP
 ネットワーク機器ではないため、「No SNMP」を選択してください。


ここまでの作業を一度保存して、疎通テストを行いましょう。
保存には図3のように3種類のボタンが用意されていますが、疎通テストも行うことができる「Save & go to connection tests」を選択します。

図3


図4の画面に遷移します。まだエージェントをインストールしていないため、"Ping"の欄のみ緑になっていれば疎通は成功です。(エージェントインストールが完了している場合は、"Agent"欄も緑になります。)
画面右上の"X change!"をクリックしてください。

図4


図5の画面が開きますので、左上赤枠の”Activate on selected sites” をクリックしてください。ホストアクティベーションを開始し、画面に”success”と表示されれば、変更が適用されます。
これでホストの登録は完了です。

図5


ここまでは、LinuxもWindowsも同様の手順です。
次に、エージェントが登録されていない状態で、サービスを取得してみましょう。
以降で説明する<管理:サービス取得画面>と、<監視:サービス一覧画面>を使って、それぞれの見え方を確認していきます。

  • Windowsの場合

<管理:サービス取得画面>

左側のメニューから、 
Setup > “Hosts” > Hosts をクリックすると登録したホストの管理画面が表示されます。
図6赤枠のボックスアイコンをクリックしてください。

図6


エージェントがインストールされていないため、何も取得できません。

図7


<監視:サービス一覧画面>

左側メニューから、 
Monitor > "Overview" > All hosts をクリックすると登録したホストが表示されます。
対象のホスト名をクリックし、登録されているサービス一覧を確認します。

図8


図8の画面が開き、2つのサービスを確認することができます。
  • 「Check_MK Discovery」:エージェント有無を確認するサービス
  • 「PING」:死活監視のサービス
この2つはエージェントが存在しない場合にデフォルトで登録されるサービスです。


  • Linuxの場合

<管理:サービス取得画面>

Linuxの場合、図6のWindowsと同様の方法でサービス取得画面へ遷移することができます。
図9の通りエージェントがインストールされていないため、何も取得できません。

図9


<監視:サービス一覧画面>

こちらも、Windowsと同様に
Monitor > "Overview" > All hosts画面を表示し、
対象のホスト名をクリックして登録されているサービス一覧を確認します。

図10


図8と同じ図10の画面が開き、エージェント登録がない場合のデフォルト2本のサービスが登録されていることが確認できました。


2.エージェントのインストール

それでは、Windows、Linuxそれぞれエージェントをインストールし、どのような監視項目を取得できるのか見てみましょう。

※インストール方法がそれぞれ違いますので、注意してください。
  • Windowsの場合
図11に展開されているように、
Setup >"Agents" >Windows, Linux, AIX を選択し、エージェントの画面を開きます。

図11


図12赤枠、"MSI"をクリックしダウンロードします。

図12


対象ホスト上にMSIファイル保存・実行し、インストールを開始してください。

図13


エージェントが正しくインストールされているかのテストをする場合は、以下のコマンドを実行してください。(※コマンドプロンプトは管理者権限で起動してください)

C:\Program Files (x86)\checkmk\service\check_mk_agent.exe test

図14


図14のような画面情報が出力されれば、Windows用のエージェント登録は完了です。
それでは、インストール前と同様の手順でサービスの取得内容を見ていきましょう。

<管理:サービス取得画面>

図6のインストール前の確認時と同様の方法でサービス取得画面へ遷移します。
Checkmkエージェントが正しくインストールされていれば、自動で監視対象とするサービスが列挙されます。(10~20程度)

図15


全サービスを登録しますので、”Fix all”をクリックします。画面右上の”X change!” をクリックし、変更を適用します。図5と同様、”Activate on selected sites” を押してください。”success”と表示されれば、サービスの登録は完了です。

<監視:サービス一覧画面>

こちらも、インストール前と同様にMonitor > "Overview" > All hosts画面を表示し、対象のホスト名をクリックして登録されているサービス一覧を確認します。

図16


先ほど登録した全てのサービスを、モニター画面のサービス一覧でも確認することができました。


  • Linuxの場合
図17に展開されているように、Setup >"Agents" >Windows, Linux, AIX を選択し、エージェントの画面を開きます。

図17


図18赤枠、"DEB"をクリックしダウンロードします。ダウンロードしたエージェント・パッケージファイル([FILE].deb)は、WinSCP等でCheckmkサーバーに転送してください。

図18


任意のディレクトリにエージェント・パッケージを移動したら、次のコマンドでインストールを実行します。

$sudo dpkg –i [FILE].deb

インストールが完了したら、エージェントが正しくインストールされているか、以下のコマンドでチェックしてください。

$sudo check_mk_agent

図19


標準出力に図19のような画面情報が表示されれば、インストールは完了しています。
checkmkサーバー側からエージェント出力を取得できるかのテストは、以下のコマンドで確認してください。

$ sudo telnet [IPアドレスorホスト名] 6556

図20


図20のような画面情報が表示されれば、正常に動作しています。
以上でLinuxのエージェント登録は完了です。

それでは、インストール前と同様の手順でサービスの取得内容を見ていきましょう。

<管理:サービス取得画面>

Linuxの場合、図6のWindowsと同様の方法でサービス取得画面へ遷移します。
Checkmkエージェントが正しくインストールされていれば、自動で監視対象とするサービスが列挙されます。(20~30程度)

図21


全サービスを登録しますので、赤枠の”Fix all”をクリックします。
画面右上の”X change!” をクリックし、変更を適用します。
図5と同様、”Activate on selected sites” を押してください。”success”と表示されれば、サービスの登録は完了です。

図22



<監視:サービス一覧画面>

こちらも、Windowsと同様にMonitor > "Overview" > All hosts画面を表示し、対象のホスト名をクリックして登録されているサービス一覧を確認します。

図23


先ほど登録した全てのサービスを、モニター画面のサービス一覧でも確認することができました。


いかがでしたでしょうか?Checkmkエージェントをインストールすることで、死活監視だけでなく、さらに多くの情報を取得・監視することができます。

自動取得したサービスを今回は全て監視対象に追加しましたが、取捨選択し必要なものだけ監視することも可能です。また、自動で取得できない項目についても、1800を超える種類の公式プラグインを使って拡張することができるため、自由に監視項目を追加・変更することができます。カスタム方法はまた後日ご紹介予定です。

現在Checkmkでは11種類のOSエージェントを提供しており、Webインターフェイスから簡単にダウンロードすることができます。

何か気になることやご要望があれば、下記のお問合せフォームよりご相談ください。



お問合せ

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30日間無償でご利用いただける評価版も以下のダウンロードページにご用意しております。
簡単に検証が開始できますので、評価ガイド(PDF)を参考にぜひお試しください。