2021年12月10日金曜日

【Checkmk KB】欲しいグラフを作るカスタムグラフ機能

 欲しいグラフを作るカスタムグラフ機能

【Checkmk KB】タグを付与したシリーズ記事は、オールインワン・ハイブリッドITインフラ監視ツールの設定・運用に関するナレッジを紹介していきます。

本記事の情報を使って、Checkmkの設定・運用効率化を実現してください。

文:ジュピターテクノロジー よしひろ


本記事の知識であなたが実現できることは、以下2つです。

  • 任意のホスト、任意のサービスのグラフを比較できる
  • "足す"、"引く"、"掛ける"、"割る"、最大、最小、平均といった四則演算+αをして、グラフを作成できる

任意のホスト、任意のサービスのグラフを比較できる

カスタムグラフ機能を使って、任意のホストが保持するサービスグラフの比較ができます。例えば、WEBサーバー4台のメモリ使用率を一つのグラフで比較しメモリ使用率の偏りを発見したり、複数のApacheサーバーのリクエスト/秒を一つのグラフに表示し、ロードバランサーの最適化に役立てることができます。


  • カスタムグラフによるサービスの比較グラフ作成

本記事の例では、VMware ESX上に起動するCheckmkサーバーx3台(Checkmk_central,Checkmk_remote,Checkmk_backup)のCPU demand(仮想マシンが要求している、または使おうとしている CPU の量)を1つのグラフにまとめて比較・考察したいと思います。

Monitor>Overview>All hosts>Checkmk_central>Services of Hosts に遷移し、Checkmk_centralのESX CPUを選択します。

図1 Checkmk_centralのサービス一覧

図2 Checkmk_centralのESX CPU

図2のCheckmk_centralのESX CPUの"Service Graphs"プルダウンメニューで、"New custom graph..."を選択します。

図3 Checkmk_central ESX CPUのカスタムグラフ作成


図4 Design Graphスクリーン

図4のDesign Graphスクリーンが表示されますので、この画面で他ホストCheckmk_remote,Checkmk_backupのESX CPU demand時系列グラフを追加していきます。図5の赤枠、"Add new metric"を2回クリックすると、Action部分にグラフを設定する行が2行追加されますので、Checkmk_centralのESX CPUの設定にならってここにChecmk_remote,Checkmk_backupのESX CPUを追加してください。設定が終わったら、画面左上の"Apply"を押して設定を有効化してください。

図5 Design Graph Metricsの操作

図6が3サーバーのESX CPU demandの比較グラフとなります。Checkmk_remoteとCheckmk_backupサーバーが類似したリソース利用傾向があることが一目で判別することができました。

図6 3サーバーのESX CPU比較

作成したカスタムグラフにアクセスするには、Monitor>Workplace>"作成したカスタムグラフ名称" でアクセスするのが便利です。

四則演算+αでグラフを編集できる

"足す"、"引く"、"掛ける"、"割る"、最大、最小、平均といった四則演算+αで、グラフを作成することができます。また、定数を使って例えば既存のグラフから2で割ったり、描けたりといった比較的自由な計算を行いグラフをカスタマイズすることができます。
さらに、Warning, Critical, Minimum possible value, Maximum possible valueをグラフに追加し閾値を設定することも可能です。これらは、前述のカスタムグラフの画面で全て設定することが可能です。

  • カスタムグラフ割り算の例

本記事の例では、比較グラフの作成で取り上げたVMware ESX上に起動するCheckmkサーバーCheckmk_centralのCPU Demandを2で割った時系列グラフを作成したいと思います。カスタムグラフ作成に必要なDesign Graph画面に遷移する方法は、比較グラフ作成時でご紹介した、図1~図4と同じですのでここでは省略します。

ESX CPUのグラフを2で割り算する為に、図7の下段赤枠のように"Add new constant"に"2.0"を入力して、ボタンをクリックします。すると、図7上段赤枠のように"constant value 2.0"が追加されます。

図7 定数の追加

次に図8のようにアクション列のチェックボックスを選択すると、"Metrics"の下に"Operation on selected metrics"が表示されます。こちらの"Sum","Product","Difference","Fraction","Maximum","Minimum","Average"を使って、サービスリソースに表示された時系列データーを計算することができます。

ここで注意点があります。割り算の場合、サービスリソースの上段÷下段といった形となりますので、図8のアクション列を入れ替えて"Demand"を上段、"Constant value 2.00"を下段に変更してください。Actionsの上下矢印マークで変更することができます。
上下段を入れ替えたのが、図9となります。

図8 四則演算+α

図9 サービスリソースの入れ替え

以上で割り算の準備が出来ましたので、Metricsメニュー下のFractionボタンを押してください。図10のようにESX CPUの時系列データーを2で割ったグラフが表示されます。
最後に"Apply"ボタンを押してカスタムグラフとして保存してください。

図10 2で割り算を実行した後のカスタムグラフ

今回は、Checkmkのカスタムグラフ(Design Graph)を使えば、好きなグラフを自由に作成できるといったことを疑似体験していただきました。


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