2020年10月6日火曜日

ntopng運用事例: ブロードキャスト、マルチキャストの中長期分析

ブロードキャスト、マルチキャストの中長期分析実現方法

文:ジュピターテクノロジー よしひろ



今回のブログ記事では、

ブロードキャスト及びマルチキャストの中長期分析したい!

といったご要望にお応えしたいと思います。


ntopngの"フロー"画面テーブルのプルダウンメニュー"方向"で"マルチキャスト/ブロードキャスト"を選択すると、現在インターフェイスに流れているマルチキャスト及びブロードキャストのフローを確認することができます。


図1 マルチキャスト/ブロードキャスト

こちらはリアルタイムで分析したい時は役立つのですが、中長期でブロードキャスト、マルチキャストのトラフィック量を分析したいといった要求には応えられません。

そこで、ntopngのローカルネットワーク設定とホストプール設定を使って、中長期分析を実現していきます。


ローカルネットワーク設定

ntopngホスト分析の基本として、ローカルホストとリモートホストという概念があります
ローカルホストは、デフォルトではntopngが認識するネットワークとなりますが、ntopngの設定ファイル(/etc/ntopng/ntopng.conf)で別途定義することができます。

これを実現するには、-mオプションを設定します。

#       -m|--local-networks
#        ntopng determines the ip addresses and netmasks for each active interface. Any traffic on
#        those  networks  is considered local. This parameter allows the user to define additional
#        networks and subnetworks whose traffic is also considered local in  ntopng  reports.  All
#        other hosts are considered remote. If not specified the default is set to 192.168.1.0/24.
#
#        Commas  separate  multiple  network  values.  Both netmask and CIDR notation may be used,
#        even mixed together, for instance "131.114.21.0/24,10.0.0.0/255.0.0.0".
#
# -m=10.10.123.0/24


上記の-mオプションの英文説明は、manページのマニュアルをそのまま張り付けております。

説明が長いですが、-mオプションで定義したアドレス範囲がローカルネットワークとなり、その中のホストがローカルホストと認識されるといった理解をすれば十分です。

そしてローカルホストの場合、ntopngは中長期分析用にTimeseriesをRRD/InfluxDBに保存してくれます。

つまり、中長期分析をするには監視したいホストのIPアドレスを-mオプションのレンジ内に設定する必要があるということです。

こちらのntopngの動作を理解すれば、ブロードキャスト、マルチキャストの中長期分析を設定するにはどうすれば良いか?が理解できると思います。


ブロードキャストは、監視対象ネットワークの-mオプションに定義されていれば特別に設定する必要はありません。例えば、192.168.93.0/24を-mオプションで設定していれば、ntopngは192.168.93.255のデータを保存します。

マルチキャストの場合は、224.0.0.0/4(IPv4)及び,FF00::/8(IPv6)を-mオプションに設定すればよいでしょう。

設定例) -m="224.0.0.0/4,FF00::/8",192.168.93.0/24,192.168.92.0/24" 


ホストプール設定

ntopngには、ホストプールというグルーピング機能があります。

こちらを利用して、マルチキャストアドレス、ブロードキャストアドレスのグループを作成すれば、ブロードキャスト、もしくはマルチキャストに所属するトラフィック全体を分析することができます。

プール名を定義後、図2のようにメンバーアドレスにマルチキャストアドレスのCIDRを定義します。

ブロードキャストは、それぞれのネットワークのCIDRを追加していってください。


図2 マルチキャストプールのメンバーアドレス設定


図3 ブロードキャストプールのメンバーアドレス設定


ローカルネットワーク設定とホストプール設定で、ブロードキャスト及びマルチキャストの中長期分析する環境は整いました。

ブロードキャスト、マルチキャストの中長期分析グラフ

ntopng左メニューの「ホスト→ホストプール」と辿れば、ホストプール画面が表示されます。
チャートを閲覧したい場合は、チャートアイコンのリンクをクリックしてください。
マルチキャストアドレス、ブロードキャストアドレスそれぞれの詳細分析を行う場合は、プール名リンクを押し、それぞれのIPアドレスを選択してホスト画面と同じように詳細分析してください。

図4 マルチキャストプールのチャート画面

図5 ブロードキャストプールのチャート画面


本記事で扱っているntop社のntopng製品にご興味のある方は、以下のリンクから弊社までお問い合わせください!